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株式市場のランダム・ウォーク

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  株式市場のランダム・ウォーク 「ランダム・ウォーク」というのは、「物事の動きからは、将来の動き方や方向を予測するのは不可能である」と言う事を意味する言葉である。 コレを株式市場に当てはめると、株価が短期的にどの方向に変化するかを予測するのは難しいという事だ。言い換えれば、専門の投資顧問サービスや証券アナリストの収益予想、複雑なチャートの分析などは無駄だということなのである。 一般の投資家は、金融のプロには太刀打ち出来ないと言われている。複雑なデリバティブ商品や、最先端のコンピュータ等のテクノロジーを使ったトレーディング手法を駆使する専門家には勝てない、と。 しかし、事実は逆だ。個人投資家は専門家と同じか、時にはそれを上回る優れた運用成果をあげることもあるのだ。その根拠となるのが、「ランダム・ウォーク理論」である。 実際のところ、投資のプロの能力はどれ程のものなのか? それを知るには、証券アナリストたちの中でも最も優秀な人々が運用に関わっている、投資信託のパフォーマンスのデータを調べると良いだろう。 例えば、2020年末までの25年間の典型的な大型株投資信託の運用成績と、市場平均を示すベンチマークであるS&P500平均を比べてみよう。 ★ S&P500 平均  9.69% ★ 株式投資信託 平均  8.55% 平均的な投資信託のパフォーマンスは、広く分散されたインデックスファンドのパフォーマンスを上回ることが出来ていないのである。すなわち、プロの運用成績は、彼らに一般の投資家が支払っている手数料に値しない、という結論になるのだ。 #ランダムウォーク #株式投資 #投資信託 #ウォール街 #S&P500 #運用成績 #キンドル #成功の極意 #投資顧問 #証券アナリスト

ビジネスの失敗例「自転車のシェアライド」

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  ビジネスの失敗例「自転車のシェアライド」  最近の例を一つ上げるとすれば、自転車のシェアライドであろう。数年前に世間に認知され始めた中国発のアイデアであるが、現在は既にこのビジネスは衰退してほとんど聞く事はない。民泊やオフィスなどの様々な「シェア」ビジネスに便乗したものなのであろうが、そもそも無理のあるビジネス内容である。単純に、利益を生み出すシステムがないからである。  自転車のシェアライドといったら、自動車のレンタカービジネスのようなシステムを連想するのかも知れない。また実際に投資家にはそのように上手に説明して、共感を得ていたのかもしれない。しかし現実的に自転車のシェアライドでは、レンタカーのように多くの場所に乗降場を建設して利益を生み出せるほどの料金設定は出来ない。また自動車ならば、車の駐車に関する法的な整備等がある為、目的地の近くまでの利用になると納得できるが、自転車であれば目的地まで直接行きたいと利用者が思うのも当然であろう。従って利用者の利便性を上げる為に、いつでもどこでも自転車を利用できるようなシステムになったのである。つまり、自転車の乗り捨てが可能になったのである。普通に考えたら理解できるのだが、コレは社会的な大問題になる。  シンガポールで、自転車のシェアライドを導入した経緯は分からないが、予想通り悲惨な状況であった。導入当初は、  1.  タクシーやバスを利用するよりも二酸化炭素を排出しない自転車を利用する方が地球環境に優しい。  2.  自分で自転車を購入するよりも安いし、乗り捨て可能なので便利である。  3.  最寄駅から自宅までの通勤時間の短縮になるし、徒歩での移動よりは汗をかかなくて済むようになる。  4.  休日のサイクリングが身近になり、より健康的な生活が手に入る。    等々、利用者を増やす為の様々な宣伝文句が街中で見られた。導入予期は物珍しさから、利用者も多かったがその数はすぐに減少し、リピーターはほぼなく、数か月後には錆びた自転車が街中に散乱しているという悲惨な状態であった。そしてその錆びた自転車を回収して回るトラックが毎日のように街中を走っていた。  実は、この自転車のシェアライドの収入源や目的は、顧客の利用履歴から得られるビックデータである。自転車の利用には、携帯電話での登録が必要である。利用者は携帯電話を自転車のカギの