株式市場のランダム・ウォーク
株式市場のランダム・ウォーク
「ランダム・ウォーク」というのは、「物事の動きからは、将来の動き方や方向を予測するのは不可能である」と言う事を意味する言葉である。
コレを株式市場に当てはめると、株価が短期的にどの方向に変化するかを予測するのは難しいという事だ。言い換えれば、専門の投資顧問サービスや証券アナリストの収益予想、複雑なチャートの分析などは無駄だということなのである。
一般の投資家は、金融のプロには太刀打ち出来ないと言われている。複雑なデリバティブ商品や、最先端のコンピュータ等のテクノロジーを使ったトレーディング手法を駆使する専門家には勝てない、と。
しかし、事実は逆だ。個人投資家は専門家と同じか、時にはそれを上回る優れた運用成果をあげることもあるのだ。その根拠となるのが、「ランダム・ウォーク理論」である。
実際のところ、投資のプロの能力はどれ程のものなのか? それを知るには、証券アナリストたちの中でも最も優秀な人々が運用に関わっている、投資信託のパフォーマンスのデータを調べると良いだろう。
例えば、2020年末までの25年間の典型的な大型株投資信託の運用成績と、市場平均を示すベンチマークであるS&P500平均を比べてみよう。
★ S&P500 平均 9.69%
★ 株式投資信託 平均 8.55%
平均的な投資信託のパフォーマンスは、広く分散されたインデックスファンドのパフォーマンスを上回ることが出来ていないのである。すなわち、プロの運用成績は、彼らに一般の投資家が支払っている手数料に値しない、という結論になるのだ。
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