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Showing posts with the label 人事のコスト

長期的な目線での人材育成が企業を強くする

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 長期的な目線での人材育成が企業を強くする  人間50歳にもなれば肉体的な能力は確かに低下する。しかしその人間性や経験はむしろ輝きを増すものである。実際に私が長年住んでいたシンガポールやタイでも、30歳から40歳のスピード感あふれる働き盛りの駐在員よりも、60歳過ぎのベテラン社員の方が人間性が優れている為、工場での技術教育や商談の場では重宝されていたし、周囲の敬意も集めている事が多かった。特に際どい商談の場では、お食事の際のちょっとした作法やお店での立ち振る舞い、場の空気感の作り方等が契約の行方を左右する事がある。 コレは、社員の人間性が商品の品質に比例する事が多いからであるが、よりレベルの高い交渉の場になればなるほどこの判断基準の傾向は高くなる。若手社員では難しいと言っているのではないが、歳を上手く重ねたベテラン社員の方がより人生経験が豊富であり会話の引き出しが多い為、交渉の場がよりスムーズに進む可能性が高いと言う事である。また、人間性が高いと場の空気の変化も敏感に察知しやすく、得てして予想外の事が起こりがちなタフな交渉の場を上手く乗り切れる可能性も高くなるのである。 

人間的な信頼関係がお金で買えない価値を生み出す

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人間的な信頼関係がお金で買えない価値を生み出す  コレは私の友人Iさんの話である。  Iさんの会社の鉱山物を積んだ貨物船が、とある中東の港に入れずにいわゆる「沖待ち」状態になってしまった事があった。港に入れなかった名目上の理由は書類の不備という事であったが、実際には政治的な理由が複雑に絡んでいて明確な拒否理由が分からない状況であった。解決にどれくらいの時間がかかるか分からず、しかも大量の鉱山物の陸上輸送にも莫大なコストが発生する為、他の港に下ろすわけにもいかず、会社側もお手上げの状態であった。しかも巨大な貨物船を海上で待機させるだけで一日当たり数百万円単位のコストがかかる為、早急に問題を解決すべくありとあらゆる手段を模索していたのだが、全く手掛かりが無い状況だったのだ。  Iさんはこの状況を古くからの知り合いである中東の友人に話した。  「政治的な利権絡みのせいで会社が多大な損失を抱えたら、自分まで巻き添えだよ。今年のボーナスも飛んでいきそうだから今日は奢ってくれよ」  と冗談交じりに愚痴ったら、中東の友人もまた冗談っぽく、  「政府の高官に友人がいるから俺が話をしてやるよ。こういう大きな案件は通常だったらトラブルシューティング料金(問題解決料)を頂くところだが、お前には他のビジネスで色々とお世話になっているから、此処での食事代だけで勘弁してやるよ。」  と返事をしたそうだ。  すると数日後に、これまた冗談みたいな話だが何事もなかったかのように無事に貨物船の入港が許されたのだそうだ。追加の書類を提出したわけでもなく、会社側が何か特別な交渉をしたわけでもないのにも関わらず、である。  実際にIさんの中東の友人が政府の高官に話をして、問題を解決したという明確な証拠などは残っていない。また、問題解決後にその友人と会った時にも彼はニヤニヤしてはぐらかすだけで、明確な説明はなかったというのだ。Iさんから事のいきさつの報告を受けていた会社側も、問題が急展開で解決した原因を分析した結果、それ以外に理由が見当たらなかったというのであった。実際にその会社ではコレは『Iさんの奇跡』として伝説となって語り継がれているそうだ。  そしてIさんは誇らしげに、   「60歳を過ぎた私は、...

自分より優れた人材を育成する  〜リーダーの究極の目標〜

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  リーダーの究極の目標  自分より優れた人材を育成する  人はいつか老いて消えゆくものである。従って「自分の理念を後世に伝えたい」、つまり「自分の会社・店舗を存続させたい」と願うのであれば、それを受け継ぐ事の出来る人材を育成しなければならない。子が親を越えていくように、会社・店舗でも世代交代は必ずやってくる。つまり、『自分より優れた人材を育てる』事は、飲食店経営者にとっては当然の事である。もはや義務であるといってもよい。金銭欲や名誉欲よりも、会社の理念、即ち己の社会的意義のある人生哲学を優先させる志の高い崇高な人間性を持った飲食店経営者にとっては、切っても切り離す事の出来ない使命であるとも言える。従ってこの本では、『自分より優れた人材を育てる』を飲食店経営者にとって究極の、そしてまさに最終的なゴールと定義づける事にする。  ここで一つ、中国の偉大なる哲学者『老子』の、「最高のリーダー像」についての言葉を紹介しよう。  『太上(たいじょう)は下(しも)これあるを知(し)るのみ』  〈訳〉   最も優秀なリーダーは、自分の働きを人民に知らさない。人民は、ただそのリーダーがいる事を知っているだけだ。次に優れたリーダーは、人民に親しまれ褒め称えられ愛される。それより劣るリーダーは、人民に対して厳しくし恐れられる。一番駄目なリーダーは、人民に馬鹿にされ軽蔑される。リーダーに誠実さが欠けていれば、人民からは信用されなくなる。リーダーが人民を信じなくなると、言葉や規則ばかり作って、人民を管理しようとする。   最高のリーダーは、治める事に成功したら後は退いて静かにしている。すると人民はその成功を、「自分達の手で作り上げたのだ!」と思うようになる。  これが老子の自然に基づく政治であり、会社でも家庭でも同じ様に通じる事である。これに似た様な話で、中世のヨーロッパの将軍が自分の息子に言った言葉に、このような言葉がある。  「息子よ、もしおまえが最高のリーダーになりたいのであれば、他の誰よりも優れた知識と武力を身につけよ。しかし、決してそれを家臣に知らせてはならぬ。さすればおまえは、最高のリーダーとなるであろう!」   これらの教訓によると、リーダーが最良の結果を生む為には、自...

責任を取ると言う事の定義

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責任を取ると言う事は、  自分が成し遂げようと思っている仕事・目標に対して、それを妨げるかもしれないリスクがもし0・1%でもあるのであれば、それらを一つずつ潰していき、自分のゴールに限りなく100%に近づけるよう、「事前に準備をしてミスそのものをなくそう」と意識する義務感を持つ事である。       一度失われたお客様の時間は、現在の文明社会においては、取り戻す事は出来ない。もし時間を取り戻す事が出来るのであれば、我々の過ちによってお客様に不快感を与えてしまった時間帯を取り戻す事によって、責任をとる事は可能である。しかし現代の文明社会においてはまだそれが出来ない以上、本当の意味での「責任をとる」という事は不可能なのである。       事が起こってしまった後、つまり事後にお客様に謝罪をするなど何らかの形によって会社の誠意を示すという行為は、あくまでも「アフターケア」である。確かにアフターケアは非常に素晴らしく意義のある行為であり、これらの優れた行為によって、お客様の不快感や怒りが逆に、会社への愛情に変わるケースも数多くあるし、アフターケアに力を入れた事によって競争優位を確立した会社さえあるほどである。       しかしどれほど素晴らしい行為であるとは言っても、「アフターケア」は、あくまでもミスが起こるのが前提にある。もし、仮に全てのお客様を喜ばせる事が出来れば、つまりミスが一つもなければ、お客様に不快感を与える事はない。しかしそのような事は夢物語であって、現実はそんなに上手くはいかない。だからこそ「アフターケアを充実させて、一人でも多くのお客様に我々の誠意をお伝えしよう」ではなく、そもそものお客様からのクレームの原因である、我々のミスをなくす事を意識すべきであろう。       これは、逆転の発想でも何でもない。ごくごく当たり前のそして当然の考えであろう。ハインリッヒの法則から導き出された推定によると、不満を持っているお客様のうち、実際にクレームを言ってくるお客様は僅かに4%であるという。では、残りの96%の不満を持ったお客様はいったいどうするのか?       答えは単純である。飲食店で言えば、もう二度とそ...

海外で成功するのに、英語力は必要ない

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  海外で成功するのに、英語力は必要ない  これは私がまだ駆け出しの頃に、とある日本人経営者に言われた言葉である。  「貴方ね、海外で成功するのに、世界でビジネスの戦いに勝つ為に英語力はそんなに必要ないんだよ。そうだな~、重要度の割合で言ったら20%くらいかな。大切なのはココだよココ。」  と言って自分の胸をトントンと叩いたのである。  例えば英語が得意ではない日本人と英語が得意ではないドイツ人のビジネスオーナー同士が会食をしたとする。彼らは、お互い拙い英語ではあるが身振りや手ぶりを交えて自らの言葉で話し合いをする。高いコミュニケーション能力を持ち合わせた人間同士であれば、発音のあまり綺麗ではない単純な単語を組み合わせた会話の中にも、お互いの心の中身・真意を読み取り、感じ取る事が出来るものである。つまり完璧な語学力が無くても、お互いの心に触れ合う事は十二分に可能なのである。ビジネスオーナー達は、相手の事業内容や財務状況や周囲の評判よりも、お互いの人間性を重視する。自らの経験や知識やノウハウに基づいた直感や、ピンと感じた相手の人間性に対する判断に重きを置くのである。これが、  『一流のアイデアを持った二流の人間よりも、二流のアイデアを持った一流の人間を選べ』   と言われる所以である。  つまり、相手の人間性に心が動かされ、相手を一人の人間として信用する事が出来れば、相手のビジネスも信用する事が出来る、と言う事なのである。そして、一度オーナー同士の心が繋がったら話は早い。後は、お互いに英語の出来る現場の人間同士に話を進めてもらうだけである。  会社のトップに立つ人間は、自らの人間性を磨く事を最優先させるべきである。技術的な詳細や契約などの法的な詳細は、その道のプロを厳選して雇えば良いのである。優秀な人材を引き寄せ、優秀な人材を雇用し、優秀な人材に気持ち良く働いてもらう事こそが、トップの最も大切な職務であり義務であろう。 

組織を動かすのは周囲を魅了する社長の人間性である

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  組織を動かすのは周囲を魅了する社長の人間性である  チームの大小はあれど組織を率いる立場になった人間は、経営戦略やマーケティングや会計などの経営全般の知識をしっかりと身につける事が重要であると言われている。また、「経営学の父」とも言われているオーストリア出身の経営思想家のピーター・ドラッカーは、マネージメントの本質はマーケティングとイノベーションであるとも言っている。  しかし、私は敢えてここに疑問を投げかけたい。  世間一般で言われているように、成功する組織をリードする優秀な経営者になる為に、経営戦略やマーケティングや会計などの知識が大切な要素であるとするならば、必死に勉強をしてMBAでも取得すれば全員優秀な経営者になれるのであろうか?決してそんな事はない。むしろ歴史的に見た時には、真の成功を収めている経営者や組織のリーダー達は、学歴などなく、大学で教わるような複雑な経営学の知識など全くないケースも多い。読者の中には、そのような人間には圧倒的な技術や斬新なアイデアがあったからこそ成功できたのだと思われる方もいるだろう。確かにそれらの要素も彼らの成功の一因であったのは間違いない。しかし同時代に、実際に彼らと同等もしくはそれ以上の技術やアイデアを持っていた人間は、他にも数多くいたはずである。ではなぜ彼らは他の人間よりも成功を収める事が出来たのか?  一言で言えば『人間性』であろう。細かく言えば、時代や運といった様々な要素もあるだろうが、最も大きな成功要因、同レベルの技術や知識やアイデアを持つライバル経営者やリーダーとの最も大きな違いは彼らの人間性である。そう、人の上に立つ人間、成功する組織をリードするトップに最も必要な要素は、『周囲の人々を魅了する人間性』なのである。       では成功する経営者は経営戦略やマーケティングや会計などの経営全般の知識が無くても良いのかというと、決してそうではない。経営者として経営全般の知識は確かに必要である。しかしそれは最低限でよい。その道のプロと同等の専門的な知識を身につけるほど深く学ぶ必要性はないと言っているだけである。       会社のトップが全ての実務レベルの専門知識を持つ必要はない。そのような努力をしていたら時間...

60歳以上のベテラン駐在員の大切さ

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 60歳以上のベテラン駐在員の大切さ  海外駐在は、日本とは生活環境が異なる為、精神的なストレスや負担が大きくなる。言葉の壁以上に、宗教や文化の違いからくる価値観の違い、食文化の違い、安全面の不安要素、というのが多くのストレス要因となっている。特に製造業や商社の方は、発展途上国や後進国への駐在も多く、苦労している駐在員は少なくない。将来を期待されている人材程、視野を広げたり人脈を築く為に、多くの国を経験させる傾向が見られる。  こうして、日本国内は勿論の事、海外での現場にも精通して海外での様々な対応力も鍛えられた人材が満を持してシンガポールに駐在員として派遣されるのである。シンガポールは、アジアの本社機能的な位置づけである事が多い為、実際に肩書はシンガポールに設立した子会社の社長や役員である事も多い。また、シンガポール駐在員はその役職や立地的に海外出張も多く肉体的な負担も重く、将来的には日本の本社にて重役に就く事を想定されているので脂の乗り切った40代から50代が多く、行動力を期待されて30代後半の方もいる。  繰り返しになるがシンガポールは物価が非常に高く、住宅手当や子供の教育等の家族手当の負担も大きい為、会社からしてみたら他の国の駐在員よりもコストの高い人材という事になる。従って、今まで以上に費用対効果を求める事になる。しかしまだ海外での経験が浅い若手の人材は、人生で初めて使用を認められた「コーポレット・クレジット・カード」に浮かれて必要以上の経費や本来は使用できない場面での使用を繰り返したり、費用対効果の非常に低いと分かっている状況での使用の頻度が高かったりする。また経験豊富な中年世代の人材でも、これまでの赴任地よりは環境が恵まれているシンガポールで気分が高まり、必要以上の経費を浪費するケースが多々見られる。  従って、最初は若手の有望株を派遣したのだが数年後に、ベテランの古株を出戻りで駐在員として派遣してくるケースも多くみられる。たいていが60歳を超えた人材で、日本国内で言えば定年退職して役職も給与も下げられているケースが多い年代の人材が、実は海外では非常に重宝される事が少なくない。60歳を過ぎてから、その経験の豊富さや人脈の太さを買われて、海外企業にヘッドハンティングされるケースも多く見てきた。頭の回転の速さ...

駐在員にかかるコストを本人に認識させる事の重要性

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 駐在員にかかるコストを本人に認識させる事の重要性  駐在員に関する人事や経済面での苦悩は、海外進出をされている企業の多くが直面する問題であろう。具体的で実戦的な対処方法を指摘する為にも、今回は私がアジアでは最も多くの時間を費やしたシンガポールでの例を示していきたい。  シンガポールに赴任してくる駐在員は若手も多い。治安が安定しており英語も通じる為、経験が浅く人間的にまだ若くても何とか業務は出来る為、最初の海外経験を積ませるには適しているからであろう。しかしシンガポールは物価が高く、家賃を含めた駐在員に対する会社のコストが重くなる為、通常は費用対効果の高い社員を送り込む事が多い。つまり若手であっても将来を期待された人材か、既に様々な国で経験を積んでおり、業務に精通していて、世界の本社機能が集約しているシンガポールに送り込まれた、日本では幹部クラスの人材が多いのである。  若手の社員は、本人も会社側も経験を積ませる為に派遣されているとの共通の認識がある為、それぞれの目的を果たして2ー3年で無事に帰国していく。問題は、日本では既に幹部クラスの社員が駐在員として送り込まれた場合である。  幹部クラスの社員は、会社から結果を出す事を期待されている。既存の事業を更に発展させていく事や、新規のクライアントを開発して契約を勝ち取る事等、実際に利益を生み出すような成果を期待されているのである。当たり前の事であるが、駐在員のコストが他の海外の国よりも割高になるシンガポールでは、その期待値はより高くなるのである。物価の高いシンガポールでは、以下のようなコストが他の海外の国よりも割高になる事が多い。  1.  安全面に考慮した住居(中堅のコンドミニアムの家賃の相場は安くても25万ー35万円)  2.  車両費(法の整備されているシンガポールでは発展途上国や後進国で心配されるようなトラブルもない為ドライバーはつかない)  3.  海外手当(これは企業によって異なるが、私の経験上では中堅の企業であれば20万ー30万円の支給であった。)  4.  海外出張費(シンガポールはアジアの本社機能的な立場である事が多く、周辺のアジア各国や中東などへの出張が非常に多い。月の半分...